膝を折り畳み 孤独に触れるたび ちっぽけな細胞が束になって 悲鳴を上げていた

道端に置かれた錆びたゴミ箱のように 現れる朝から逃げる手段をちっとも持たない

わたしの話 これでおしまい

この焼けるような情動が 焦げるような衝動が 君にはわからないんだろう。わたしは ただ 気まぐれのように与えられる穏やかで和やかで排他的とも言えるような時間があればそれで良かったのだ。どんな高価なものよりも それは強く強く輝いていて とても愛しい…

愛しい赤子

狭いわたしの中で もがくように踊るのは 自意識か魂かどちらにせよ 出よう出ようとのたまうソレにいつか腹を食い破られ 殻だけ取り残されて 進化のように死ぬんだろうソファでくつろぐような毎日に 締め上げられるソレを 見ないフリして笑う 笑う 何が面白い…

せえの

悲しい日は白い服を着て 神様に媚びを売らないとね

太陽

このくらい寒いほうがいいほんとうの震えに気づかないで済む 君がライトで照らしてくれた 暖かくて 寒気がした光の向こうの君の姿が 僕には見えないと知った 触ってくれよ 影すら溶けていく世界で影じゃない僕の形を

大切なものの為に 大切でないものを排除する不安になって下を見て 脚が二本あることにほっとする雨の後のぬかるんだ道 縺れそうになるほどもう下手くそに生きてない 吊り革よりも握りたい手がある

相反

ぷつりと潰れてしまうような そんな細やかで軽やかなものを愛だと呼んではいけないのなら わたし ひとり生きていくわ

やさしいひとはにがて なんか しにたくなる

いつも地球回ってて 朝日眩しくって わたし もう死にそうだよ わたし ずっと羊水に包まれてたかった プカプカ 人魚みたいに浮いてたかった 肺に空気なんか いれたくなかった のに。あなたに解るわけないあなたに許す権利なんてないねえ 半透明になったわたし…

せみ

ひっくり返った蝉のように起き上がる術も見つからないまま絶望してる どうして泣いたんだろう わたし

鹿亡い

生まれたから生きるしかない