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膝を折り畳み 孤独に触れるたび
ちっぽけな細胞が束になって 悲鳴を上げていた
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道端に置かれた錆びたゴミ箱のように
現れる朝から逃げる手段をちっとも持たない
わたしの話 これでおしまい
この焼けるような情動が 焦げるような衝動が 君にはわからないんだろう。わたしは ただ 気まぐれのように与えられる穏やかで和やかで排他的とも言えるような時間があればそれで良かったのだ。どんな高価なものよりも それは強く強く輝いていて とても愛しいものだと 君は知らないんだろう。何が欲しい?と問われても わたしの欲しがっていたものはそこにもうあって それ以上のものなんてどこにも無いのだ。欲の無い人間だと君は思っただろう。戸惑いさえしたかもしれない。ただ わたしには その幸せは口に出すのも惜しいほど 穏やかな時間は価値のあるものだった。外部の刺激にどれだけわたしが怯えたか どれだけそれがわたしを痛めつけるか 君は感じることすらできないんだろう。わたしを乱すのはその他の日常で十分で 乱れた均衡を取り戻させる穏やかさが どれほどわたしを支えたか 君が理解することは無い 一度たりとも無かったんだろう。ほんとうに大切なものに 自らで手にすることが出来るモノを欲しいと願うことはなんて反逆的で 罪なのか 君は気付かない。わたしをこれ以上 乱さないで欲しかった。乱さないものと信じていた。でも 信じていたものさえわたしをぐちゃぐちゃに掻き混ぜるものだったのなら 勿論そんなものはいらない。価値のない ゴミのような世界の一部でしかない。そんなものはいらない。そんなものは もう十分だ。うんざりだ。世界とわたしを分けてくれていたものに 背中を押されて世界に戻された。酷い。それは酷いよ。これ以上 痛むのは嫌だ。ゴミは嫌いだ。ゴミは嫌い。だから捨てた。綺麗さっぱり捨てた。わたしは期待には添えない。刺激を求めるものと寄り添うことはできない。そう これは当然の結果で 摩擦で細くなった糸から伝わる痛みに耐え兼ねて わたしが千切っただけの話。これでおしまい。
愛しい赤子
狭いわたしの中で もがくように踊るのは 自意識か魂か
どちらにせよ 出よう出ようとのたまうソレにいつか腹を食い破られ 殻だけ取り残されて 進化のように死ぬんだろう
ソファでくつろぐような毎日に 締め上げられるソレを 見ないフリして笑う 笑う 何が面白いのかと腹を蹴られ それでも笑う 面白いよ わたし、カウントダウンは好き
せえの
悲しい日は白い服を着て
神様に媚びを売らないとね
太陽
このくらい寒いほうがいい
ほんとうの震えに気づかないで済む
君がライトで照らしてくれた 暖かくて 寒気がした
光の向こうの君の姿が 僕には見えないと知った
触ってくれよ 影すら溶けていく世界で
影じゃない僕の形を
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相反
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せみ
鹿亡い
生まれたから生きるしかない